立ち耳*・耳の形の異常**
立ち耳*の診断基準:生まれつき、耳(耳介)の折れ曲がりが弱く、カップ状で、耳が側頭部から突出しており(30度以上)、「立ち耳」の状態を呈している場合が、保険適用になります。
手術方法*
立ち耳の手術は、耳の後ろ側の皮膚を切開し、内部の軟骨にマットレス縫合という方法を用いて、対輪antihelixというくびれを、折り曲げながら作ります。 立ち耳のタイプにもいろいろあるのですが、この対輪がないか、十分な曲りがないためにカップ状になって、結果、耳が立っているというケースが一番多いタイプです。 もう一つのタイプは、対輪の形成はあるものも、耳甲介という耳の内側の部分の軟骨が、立っている場合もあります。この部分の軟骨の硬さにもいろいろ程度がありますが、こうしたケースでは耳甲介に糸をかけ、頭蓋骨側へ引き寄せる施術を行うこともあります。
before
after
*症例によっては、耳のカップ状の軟骨にさらに糸をかけて、後ろ側に引っ張るなどの追加処置を行うことが必要な場合もあります。これは大人の、硬くなった耳軟骨の場合などです。
治療費の目安
・片側の治療(健康保険3割負担の場合):¥5万8千円程度*
・両側の場合:上記の2倍(*医療費が高額の場合、後日保険組合より還付を受けることができます)
(*その他、術前検査費¥4~5千円程度)
**その他の「耳をとがらせる(ポインティング耳)」も元に戻せる方法で行う方法があります。また、耳の形の異常(スタール耳、折れ耳、耳垂裂など)も取り扱っています。
立ち耳手術の合併症、回復期間
・術後のケアーが必要ですので、術後1-2週間は必要に応じて通院できるようにしてください。
・手術部位の耳の皮膚は、皮弁のような状態となり、まれに血流が悪くなる場合もあります。その場合は、組織の壊死や化膿を防ぐために、頻繁な通院が必要となることがあります。
・再発:多くの場合、再発することは少ないですが、ある一定の頻度で、将来また耳の状態が立ってくることがあります。とくに、大人の患者さんで、既に軟骨が硬くなっている場合に、その傾向があります。
耳の手術に関するよくある質問
Q
手術を担当する医師のことを教えてください。
A
耳に関する手術は、すべて、当院院長が担当します。当院の院長は日本で唯一人のアメリカ形成外科専門医で、元UCLA形成外科チーフレジデントです。在米18年、さらに外科医としての経験が30年以上あります。また、大学病院のスタッフも兼務しております。
Q
どのような立ち耳にどの治療が適切でしょうか?
A
基本的に耳の外側の対輪(アンチヘリックス)という部分のスジがきちんとできていない場合やその折れ曲がりが弱い場合は、この部分の軟骨にマットレス縫合という方法で、折れ曲がりを作ったり、より強くしたりして、対輪を十分に形成します(右図参照)。
この方法だけでは耳が寝ない場合、耳甲介とよばれる中央部分が立っている場合があります。その場合は、耳甲介を頭蓋骨に引き寄せる方法をとる場合もあります。
どういう方法が、最適なのかは、当院の専門医による診察が必要です。
Q
治療のメリット、デメリットについて教えてください。
A
メリットとしては、治療は日帰り手術で、局所麻酔で行われますので、お一人でご来院し、治療を受けることが可能です。結果はすぐに時間できる場合が多いです。回復期間の間も、通常のお仕事はできます。マスクも耳にかけないタイプのアダプターで、簡単に対応できます。
デメリットとしては、ある一定の割合で、再発することがある点です。一般に子供のように軟らかい耳の場合、再発は少なく10%以下だと言われています。一方で、中高年以上の方で、耳の軟骨が硬くなっている場合や耳を接触するスポーツ(格闘技など)をされる方は、長い目で見て20%程度の再発率が予想されます。
Q
将来、立ち耳が再発した場合には、どのように対処しますか?
A
仮に将来再発が起こった場合に、その後どのような治療にするかは実際に状態をよく観察して、最適の方法を考えます。場合によっては、耳の前面からのアプローチも入れて、より広範囲の軟骨の加工を行うこともあります。そうした治療は、大学病院で行うことが多いです。
Q
合併症、麻酔について詳しく教えてください。
A
術後に血腫といって血がたまる場合がありますが、それを防ぐ意味で、ドレーンというチューブを術野に入れます。皮膚の壊死や化膿は滅多に起こりませんが、栄養状態の悪い患者さんではやや起こりやすいと言えます。他の合併症はまれですが、実際に受診時に、詳しくご質問をお受けします。
最後に、局所麻酔の注射を用いた場合、ほぼ完全無痛で治療が可能です。この際に用いる注射器の針は非常に細いもので、注射自体もそれほど苦痛をともないません。
その他のQ&A
その他のQ&Aに関してはよくある質問をご覧ください。
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