Archive for the ‘アメリカのこと’ Category

Board certified の意味 :アメリカ形成外科専門医

月曜日, 11月 27th, 2017

米国では形成外科専門医のことを “Board Certified in Plastic Surgery” あるいは “Board Certified Plastic Surgeon” という呼び方をします。

   この “Board Certified” (「ボード・サーティファイド」と発音する)という言葉には特別な響きがあり、アメリカ人なら誰しもその意味を理解していると思ってもいいくらいに使われている慣用表現です。テレビなどのメディアにおいても、”Is your doctor board-certified?” などと聞くシーンがよくあり、この称号をもっているかどうかが、信頼できる専門医であるかどうかを見極める最初のステップだと考えられています。

   ちなみに、米国では卒後教育の場において、その進路選択は自由なものではなく、過去の成績、評価が大きく関係してきます。一般的には内科系よりも外科系、外科系の中でも脳外科や形成外科へ進むのは最も狭い門であるといわれており、“Board certified Plastic Surgeon”という言葉には、そういう意味でも特別な響きがあると思います。

日米における形成外科の違いについて

月曜日, 10月 2nd, 2017

形成外科、美容外科に対する患者さんや一般社会の受け止め方には、日米で大きな違いがあります。まず、アメリカでは「美容外科」は特殊な独立した分野ではなく、形成外科の中に包括されます。言い方をかえると、形成外科医の多くは美容医療にも携わっています。
 
そして、クリニック(英語ではドクターズオフィスという)に来る患者さんも、随分と違った感じがします。日本では美容外科系のクリニックはかなりの割合で、精神科、心療内科のお世話になっている患者さんもいると聞きますが、アメリカではそうしたケースは少ないと思います。ちょうど、耳鼻科や眼科のクリニックへ行くように、皆さん、形成外科のクリニックへ行きます。そこには美容の患者さんも、再建外科やちょっとした怪我の患者さんも混ざっています。美容の患者さんに関しても、誰がみても治してあげた方がよいような特徴のある鼻だったりしますので、隠さないで、夫婦や友人と来院される方がたくさんいます。
 
わたしは、日本とアメリカの大学病院での形成外科医としての勤務経験がありますが、日本の形成外科は、アメリカの一般外科の延長上にあるような特殊な科ではないかという気がしています。だから、日本では美容外科と形成外科がお互いに独立してしまうのだろうと思っています。

美容医療の違い:日米比較

月曜日, 6月 19th, 2017

日本では美容医療、美容外科というと、何か特殊な医療の現場を想像する方も多いかと思います。多くのクリニックは派手な宣伝で集客し、クリニックにいらっしゃる患者さんも多くはシークレット(秘密)に来院します。また多くの患者さんが、心身症、神経症や診断名が付いていなくても強迫観念に取りつかれているなど、通常の診療科を訪れる患者層とは違うと言われています。治療内容も、形成外科でなんとかもっと普通の生活を送れるように、修復してあげた方がよい症例というよりは、それほど容姿に問題がないのに、非常に細かい、些細なことを気にされていることも多いようです。これが日本の美容医療、とくに美容外科の現場でしょう。
 
一方で、アメリカでは美容外科という独立した専門科はなく、形成外科が美容外科も包括しています。アメリカでは形成外科は一般の耳鼻科や眼科と同様に、誰が見ても治した方がよいような鼻の形や加齢による瞼の垂みなどを修正します。家族全員で来院することもよくありますし、夫婦や、親子で相談に来られることも多いです。クリニックの中も明るく、日本のようにひっそりと隠れて来るというような感じではありません。
 
アメリカと日本の両方の国で美容医療、形成外科をやってきたものとしては、どうしてもそうした違いを今更のように感じてしまいます。