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ボトックス治療の実際

まず患者さんの頭痛がいわゆる症候性のものではないことが条件となります。症候性というのは原因がはっきりしている頭痛で、脳腫瘍、出血、感染症、炎症などによるものにはボトックスは使えません。簡単に言えばまず正しい頭痛の診断を脳外科医や神経の専門医にまずしてもらい、できれば現在広く使われている既存の治療方法でまず治療を受けてください。それにもかかわらず片頭痛や緊張型頭痛が頻発する場合、ボトックスによる治療を考えてみてもよいでしょう。

さて、ボトックスを頭痛の治療に用いる際の一般的な施術部位には、眉間(Procerus、Corrugators)、前頭部、側頭部、そして後頭部があります。実際の打ち方は、これらの部位に決められた量を部位を限って注射する場合(部位限定型)と、筋緊張性頭痛のような場合、痛みの走行に沿って注射をする方法もあります。1回の治療で使用するボトックスの量は報告によってまちまちなのですが、大体25から100単位くらいというのが一般的のようです。(報告によってはより大量の治療例もある)

部位限定型の治療の場合、症状が片側だけであっても、注射は両側に行われるのが一般です。これは注射部位に関連して、表情筋の一部が同様に麻痺するので、片側だけ治療すると顔の表情に左右差が出来たりして、美容上問題が起こるからです。こうした治療でターゲットとする筋肉は、Procerus、corrugator、前頭筋、側頭筋となります。痛みの走行に沿って注射する方法は、患者さんに実際にどこが痛いですか?と聞いて治療したり、首や肩あるいは額関節を触診しながら、痛みのスポットを探しつつ治療する方法です。これらの具体的な部位には、前頭部、側頭部、および後頭部の筋肉、trapezius、splenius capitus、suboccipital、そして後頸部の筋肉などがあります。

患者さんが病歴上、片頭痛があって治療(予防)を希望される場合、部位限定型の治療方針がよいでしょう。もし、そうした患者さんに、痛みに沿った方法でのみ治療すると、美容上表情に左右差が起こったり、頭痛の部位が、いままで治療したことがない部位へ移動したりすることがあるからです。

もし患者さんが、筋緊張型の頭痛のみもっていると判断される場合、痛みに沿って注射する方法が用いられます。この場合でも前頭部へ注射する場合は、美容上の左右差に十分注意して治療する必要があります。側頭筋、後頭筋、splenius、後頸部の筋肉などでは、左右差はあまり問題にならないでしょう。首や肩の筋肉へ注射する場合は、うちすぎないように注意します。さもないと、治療部位の筋力が落ち、それが原因でまた違った痛みが発生することがあります。首のジストニアという状態がある患者さんの場合は、神経内科や脳外科の専門医のもとでの治療が望ましいと思います。

緊張型頭痛のなかでも痛みの走行が指で触れる患者さんやトリガーポイントがある方は、ボトックスがよく効くタイプだといわれています。また発症してから経過の短いタイプも、予後はよいと言われています。ただし、前のオハイオのベーマンド博士の報告にもありますように、眉間の筋肉1箇所だけの注射でもかなりの効果を示すことがあるようですので、本当の意味で、どういう注射の仕方がよいのかは、今後の課題だと言えそうです。

そして、長期的な治療の展望なのですが、いくつかの論文によりますと、何度も繰り返し治療をしている患者さんの方が、治療効果が高まっていくという事実が、アメリカ各地で報告されています。ただし最終的な治療指針は、今後アメリカで大規模な臨床治験が終了するまでは、まだ確立していないのかもしれないということも、付け加えさせていただきます。

ボトックスによる片頭痛(偏頭痛)治療:20,000円~(税抜)

*当院の医師はアメリカ形成外科専門医であると同時に、アメリカ神経病理学専門医であり、過去にはアメリカの大学病院で脳外科のチーフレジデントも修了しました。頭痛外来はこうしたバックグランドに基づいて併設しております。

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クレ カツヒロ・ロバート

院長:クレ カツヒロ・ロバート

アメリカ形成外科専門医
アメリカ形成外科学会正会員

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