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2017年3月9日脂肪吸引・脂肪注入

脂肪吸引について(その1)

脂肪吸引に関して、当院では多国籍の多くの患者様から様々な質問をいただいております。
 
  今回はその中で、いわゆる「最新型」とされる各種の付随機器を用いた痩身術について考えてみます。脂肪吸引には、アメリカで長年広く使われ、安全性が確立しているチューメッセント溶液を用いた通常のカニューレによるウエット方式が有名です。この方式では局所麻酔薬や出血しにくくなる薬剤を高度に希釈して、これをターゲット領域に組織を膨張させるように注入したのち、吸引する方法です。この方法では、出血量が吸引量の1%以下であることが知られています(非常にすくない)。また、医師の技量にもよりますが、使用する機器そのものによる組織の損傷は少なく、安全な方法だと言われています。当院では、この方法をさらに進化させた、マイクロカニューレ方式を用いて、凹凸の少ない、効果的な結果を得ています。
 
  さて、近年、以上の方法に代わって、超音波やレーザーを脂肪吸引器の先端部分に発生させるような装置が出てきています。日本人は新しいテクノロジーに敏感ですので、こうした機器を用いた治療も日本ではよく行われているようです。ではアメリカではどうでしょうか?アメリカではそうした機器は一時的に関心を集めましたが、いまではあまり頻繁に使われていないというか、だんだん使われなくなってきています。なぜでしょうか?最大の問題点は、合併症の重篤さにあります。こうした脂肪吸引プラスアルファの機器の多くは、先端部分に高エネルギーを発するものが多く、結果、皮下組織の熱傷(やけど)、神経の損傷、治癒課程の遅延による水腫(水がたまる)などが報告されています。
 
  こうしたことからアメリカなどではまた、従来型のレーザーや超音波を用いないチューメッセント方式による脂肪吸引にもどってきたというのが実情です。ちなみに、日本ではいろいろな事故なども報告されて「怖い」、「危ない」と敬遠されがちな脂肪吸引ですが、アメリカでは年間25万人以上が受けている、最も人気のある美容医療施術の一つです。

脂肪吸引についての詳細はこちらのページをご参照ください。

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クレ カツヒロ・ロバート

院長:ロバート・カツヒロ クレ

アメリカ形成外科専門医
UCLA形成外科修了
元UCLAチーフレジデント

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